疑問に思うところなどを質問してきました。青い字が園からの答えです。
主に角田信子園長が丁寧に説明してくださいました。
●遊び
・遊ぶことを重視される理由を教えてください。
・外遊び、水、泥んこ遊び、散歩など戸外活動を重視される理由について教えてください。
子どもにとって遊ぶことは、生きること。人間関係のもとになる仲間との遊び、自然との触れ合いなどの実体験を、より大事にしています。乳幼児期に十分に遊ばせる事が、将来勉強や仕事などに対する意欲を高めることに繋がると考えます。
活動なくして発達なしと言われるように、子どもは動きながら発達していきます。脳(知的発達)のために、体を強くし、体を動かすことを大好きにさせたいと考えます。
水、砂、泥、はどんなものにでも形が変わり創造力が広がります。そして、皮膚の感覚を刺激することが、運動感覚だけでなく、自律神経が発達し、情緒が安定していくと言われています。
散歩は、四季折々の草、花、虫、風、匂いを味わい、五感を発達させるのに最適です。自然の中には、子どもの夢中になるものがたくさんあります。そしていつの間にか、足腰の丈夫な子どもに成長していきます。
子どもが育つ場として、とても素晴らしい厳木の自然環境を存分に生かしていきたいです。
・外でも中でも自由に選んで遊べますか。
遊べます。
・幼稚園では室内でも自由にままごと遊びをしたり、製作遊び、などもしています。そういう室内の遊び(の種類)が少ないのは、戸外で遊ばせる機会を増やしたいからですか。
はい。園の中で遊ぶことよりも実体験がたくさんできる戸外、散歩などを重視し、遊びの6、7割は戸外での活動です。園内では、お絵かき、粘土、折り紙、リズム、などで遊びます。行事ごとに製作もあります。室内のままごとのおもちゃはありませんが、子どもたちはごっこ遊びを楽しんでいます。
・雨の日(外で遊べない日)はどうやって過ごしていますか。
集団での遊びや、普段はゆっくりとできないリズムやロールマットをじっくり行います。
ロールマットは、子どもの心と体の状態を確認できます。全身の血流が良くなり、身体をしなやにし、1日の体の動きがスムーズになります。
・リズムの効用、毎日行う理由を教えてください。
リズムは音楽に合わせて子どもたちに親しみのあるいろいろな動物に模して走ったり、止まったり、跳んだり、転んだり、這ったり、舞ったりする遊びです。全身の運動機能、感覚器官を鍛えることでより優れた発達をしていきます。音を聞くと子どもたちは楽しそうに動きます。リズムに乗って楽しく遊ぶ中で、通常の遊びでは足りない、バランスのとれた身体づくりを助長します。“自分の体を自分の思うように動かせる”ことができ、子どもたちも意欲的になります。毎日行うことで、脳を刺激し身体が自然と覚えていくので少しの時間でも行うようにしています。
・リズムをしたくない子どもがいたらどういう対応をされますか。
子どもがやりたいという気持ちを大事にしているので、無理にはやらせません。声かけはしますが、やりたいという気持ちになるまでは、待っています。半年くらいしなかった子どもが何かのきっかけで急に楽しくやり出したという事もあります。
●字への対応
年中、年長児になると自然と字に興味を持つ子どももいます。また子どもによっては、年少でも字や形が好きな子どもいます。自然と関心を持った時に教えると知る喜びや意欲にも繋がると思います。早期教育、教え込みの弊害は認識しており共感できますが、子どもが字の読み方や書き方を自然の興味の中で聞いてきたときにどう対応されていますか。字についての問題点を教えてください。
字への興味はとても大事で、興味を持たないととても心配です。字を聞いてきたときには否定をせず、興味を持たせたまま字について教えすぎないように心がけています。心を豊かにしてくれる絵本の読み聞かせはとても大事にしていて、毎日します。子どもたちは絵を見て、大人の話を耳から聞き、物語を想像します。字が読めるようになると、どうしても字を辿ること(意味はわからなくても)が優先されてしまいます。字が読めない時期の絵本の読み聞かせの効用を大事に考えています。
子どもの手の届くところに絵本を置いていると、子どもたちで取り合いになって、本を乱暴に扱ったりした事もあったので、子ども達の手の届くところには置いていません。また、まずは実体験(体を使っての遊び)をさせたいので、子どものみで自由に室内で絵本を読む環境にはしていません。
●本
図鑑は置いていますか。今の園では、虫の種類や餌を調べたり、花の種類を調べたり、遊びにも活用してます。そういう事は子どもたちの好奇心や知る喜びにも繋がると考えますが、そういう事はしていませんか。
年中、年長では、図鑑は使っています。よくお散歩に行くので、虫や自然などについて調べています。
●絵
スムーズに書けるという点では水性ペンも変わらないような気がしますが、どう違いますか(油性ペンは付いたら取れにくい)。今の園でクレヨンなどの色彩も使っています。そういうものは使えますか。
水性ペンは、すぐ乾かないので、手が当たって滲んだり汚れたりします。油性ペンはすぐに乾き、子どもが思い通りに描けるので、子どもにとっての成功体験になり、子どもも満足に感じます。この成功体験(絵を思い通りに描ける)をとても大事にしています。また、複数の色を使うと、思い通りにならず絵が黒っぽく汚くなる事もあります。単色を使えば、描きたいものが思い通りに表現できるし、美しい絵になります。まずは、シンプルに描くことに集中させたいと考えます。思い通りに描けるようになり、はっきりとした色彩がわかる6歳ごろに色彩も使うようにしています。今まで自由に色彩も使われていた子ども達も多いので、子どもの気持ちを大事にしつつ、声かけをしていきたいです。
●キャラクター物
・新しく買うときに配慮できますが、持っているものの買い直しはしなくても良いですか。
持っているものの買い直しまでは必要ありません。新しいものを買う時に配慮してもらい、少しずつ少なくなっていけばと思います。
戦闘モノなどは身につけると、子ども達がなりきって余計に乱暴になります。何でも力で解決したり、強いものが勝つ、という事ではなく、穏やかに育ってほしいという願いから、そうお願いしています。
●井戸水
・何メール掘られたのか。
・水質検査の頻度はどれくらいですか。
50m掘りました。50mで大腸菌もなく、大変水質が良い地域です。年に一回の検査をします。料理には水道水を使います。
●オムツ、パンツ
・布オムツや、パンツにされている理由を教えてください。
・持ち帰る際、下洗いはされますか。(泥んこの洋服は?)
・トレーニングパンツじゃなくても良いですか。
生まれた時から感覚器官は育っていき、「快・不快」がわかります。だからこそ、子どもが見るもの・聞くもの・触れるもの・味わうものには良いものをと考えて保育をします。
陽が入る、風通しのよい部屋で生活し、気持ちいい素材の服を着て、紙おむつは使わず、パンツで過ごします。(寝る時は、オムツの取れていない子は、布オムツを使い、通園時は紙オムツでも大丈夫です。※オムツやパンツの枚数については入園のしおり;次の記事が参考になります。)
「気持ちいい」の感覚は脳の発達、そして全身の発達に大きく影響しています。人間の感情の原点である、気持ちいい・気持ち悪い、の感覚を育てるために、パンツで過ごしています。
裸足についても、足の裏を刺激する事が、発達にいいとの考えから、園では裸足で過ごしています。
汚れたものは下洗いして持ち帰らせます。トレーニングパンツではなく普通のパンツがいいです。
●毎日持っていくもの
・川副の資料と同じですか。歯ブラシは?
歯ブラシは不要です。園では食べた後にうがいをします。朝晩に家で、しっかり磨いてもらうようお願いしています。園での食事は砂糖(黒砂糖)控えめで、根菜類をよく食べる事で、虫歯ができにくくなるよう心がけています。実際虫歯の子どもは少ないです。
●担任
・毎年変わりますか。
基本的には持ち上がりにしています。子どもの様子を深く知るためです。
●卒園後
・小学校生活やその後どう過ごしているか。
聞いたところでは、文字の習得など一年生の一学期は大変そうではあるが、後は学力も問題なく、特に実体験が豊富なので国語力(表現力)が高い、絵(工作)や体育などを表現力もあり楽しんでできるなどの声を聞きます。元気(体が丈夫)で優しい、との声も。
リズム会などで兄弟児がきた時には、少しリズムを見たら、砂場で穴掘りをしています。4年生位でも、砂場遊びに夢中になります。心の安定にも繋がっていると思います。
●入園
・厳木地域の人が優先的に入れますか。
厳木地域の方は皆受け入れます。
・4月から入りたい人はどうすればいいか。(厳木の園からの移行ではなく新しく入る場合)
(厳木市民センターより回答)新しく入園の方(現在どこの園にも行っていない)は、厳木市民センター保健福祉課で、申し込みしてください。11月19日~12月7日が受付期間です。資料はいつでも市民センターや市役所でもらえます。厳木以外の園から転園する時には市民センターにお問い合わせください。
入園決定の通知は3月上旬です。
・入園が決まってからの説明会がありますか?時期は?
市からの入園決定通知後、説明会を行います。
●お願い
今回は民営化による入園になる子どもが多くいます。子どもにとって場所も友達も先生も新しくなり環境が大きく変わるので、移行する子どもたちについては特に配慮いただき、ゆっくりと新園の方針に慣れさせていってほしい。
はい。それが最も大事だと考えています。移行する子どもには十分に配慮します。
●その他
・定期的な読み聞かせを保護者ボランティア(幼稚園)や地域のボランティアグループ(保育園)が行なっているので今後も継続させてほしい。
多久の園も地域の方などが来られています。お願いします。
・幼保小中連携は今後も継続してほしい。
はい。大事なことだと思います。